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「仮面(マスク)」への興味:AAPA『となりとのちがい vol.5』


5/18(金)~20(日)に北千住駅周辺の会場で行う
各「ジャンル」に興味を持ったきっかけを、
前回の「武術」に続いて紹介していきます。
2回目の今回は「仮面」です。

私が「仮面」に触れるきっかけになったのは
今回のゲストの福田さんが、2013年に
スタジオがオープンして間もないころから
クラスに定期的に通っていただき、彼自身の
活動を知るようになったためでした。

福田さんは、普段から仮面(マスク)や
即興演劇(インプロ)ワークショップ講師
パフォーマンスを行い、ここ数年の間に
店舗として仮面屋をオープンしたり、
「THE MASK THEATRE」を主宰して
舞台公演を行ったりと、様々な顔を持ち
ながら積極的に活動されています。

最初は「仮面」と言われても、自分のダンス
とのつながりという意味では、あまりピンと
こなかったのですが、福田さんと話すうちに
祭や伝統儀式の舞踊、最近ではハロウィンで
仮装を楽しむ人など、何となく自分の周りの
「仮面」にまつわる物事が、気になるように
なりました。

また私は以前、ジャック・ルコックという方が
書いた『詩を生む身体』という本を読んだ
ことがあり、その中で彼が俳優のための
トレーニングとして「仮面」を使っていた、
と知ったことも、ひとつの興味のひっかかり
になったと思います。


スタジオで「マスク」のワークショップを
企画し、自分もワークを経験することで
変わったのは「顔」についての意識でした。
(過去に行ったマスク(仮面)のワークショップ
やコラムの一覧はこちら↓)

福田さんは「マスク」があることで、
「からだの表情が見えてくる」と言います。
これは確かにそうで、じっくり観ていると、
パフォーマーの小さな動きや仕草が普段よりも
インスピレーションを掻き立て、ストーリーや
関係性を想像するようになります。

逆に自分がマスクを被ってパフォーマンスを
する時は、自分と外の世界の間に窓ができて、
覗いているような感覚になりました。
自分が仮面のもとで何をしていようと、
外からは見えず、自分としては思いがけない
ところで観ている人が笑ったりします。

以前、福田さんに「マスク」について
インタビューをしたとき、
「顔の上に顔をかぶる」と言っていたのを
思い出しました。
「顔が変わるという点で、マスクは、
「生」と「死」を扱うともいわれている」
ということも、その時に言っていました。
(インタビュー記事はこちら↓)

観る側でも被る側でも、「マスク」には
「キャラクター」になるという感覚があると
強く感じました。

そして福田さんは、
『「仮面」に語らせるために、演者が何かを
表現しようとするのではなく、なるべく
ニュートラルなからだとしているあり方を
模索している』と言っていて、そのことは
私がダンスについて考えている感覚に
近いように思いました。

そして自分のダンスでは、なるべく「顔」
あるいは「顔の表情」をなくすことで、
からだをより見せていこうと考えているな、
と思いました。

まだうまく整理はできていませんが、
様々な文化の中で仮面が使われてきたのは
ただの飾りではなく、道具だったのだな、
ということを、ワークショップを通じて
からだで感じることができたと思います。

「顔」と「からだ」の関係は、
「理性」と「野性」、「意識」と「無意識」、
「感情」と「機能」など、人の不思議に
触れるものな気がします。

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スタジオでワークショップを行ってきた
「武術」「歌/声」「サーカス / ジャグリング」
「仮面」の各ジャンルからゲストを招き、
毎回、異なるゲストと会場の組み合わせで

「仮面」の福田寛之さんがゲストの回は、
5/18(金)17:40と、5/19(土)11:00開演の回です!

今回のように様々なジャンルのゲストを招く
企画を行う背景には、「ダンス」という言葉を
「からだを使ったパフォーマンス」に置き換え
新鮮な感覚に触れる機会を増やしたい、という
思いがあります。
ご興味・ご都合あいましたら、ぜひ気軽に
参加してもらえたら嬉しいです!

▼チケットの購入はこちら↓
http://engeki.jp/pass/events/detail/419