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「武術」への興味:AAPA『となりとのちがい vol.5』

 

5/18(金)~20(日)に北千住駅周辺の会場で行う
AAPA『となりとのちがい vol.5』では、
これまでスタジオでワークショップを行った
「武術」「歌/声」「サーカス/ジャグリング」
「仮面」の各ジャンルからゲストを招き、
毎回、異なるゲストと会場の組み合わせで
パフォーマンスを行います。

そして今回のような企画を行う背景には、
自分たちが普段、触れている「ダンス」を
「からだを使ったパフォーマンス」という
言葉に置き換え新鮮な感覚触れる機会を
増やしていきたい、という思いがあります。

そこであらためて、今回ゲストとして招く
各ジャンルについて、興味を持った内容や
きっかけについて書いてみたいと思います。

初回の今日は、まず「武術」について。

私が「武術」に触れるきっかけになったのは、
東京・コンタクト・インプロ・フェスティバル
で「コンタクト・インプロビゼーション」と
つながりの深い「合気道」のワークショップに
参加したことでした。
今回ゲストで出演いただく田代順さんとも、
コンタクト・インプロビゼーションを通じて
出会いました。

そしてある時期、からだを「崩す/立ち上がる」
という動きをどうしたらもっと「形」ではなく
からだに起こすことができるか考えてたとき、
合気道の「すみ落とし」という技を体験した
ときの感覚を思い出し、武術の技のなかにある
身体作用を学ぶことがヒントになるのでは、
と思いました。その時の記事はこちら↓)
http://minori.aapa.jp/2015/07/blog-post_3.html

その後、田代さんから武術的身体のワークを
継続的に学びながら、ダンスとの関連について
意見を交わしてきました。
(これまでの武術のワークショップやコラムの
一覧はこちら↓)
http://minori.aapa.jp/2018/02/blog-post.html

生死の関わる状況で養われてきた武術の動きは
小さな動き相手に大きな動きを伝えるための
細かな「からだと動き」の知恵が詰まっていて
「からだの崩し」だけでなく、
手足とからだのつなげ方、センターへの意識、
相手の空間への入り方・引き込み方など、
多くの発見がありました。

武術とダンスのリサーチワークから動きを
発展させて、永井のソロダンスの『浮橋』や
その後に続くAAPAの『浮舟』のなかでの
ダンスの動きにも取り入れていきました。

武術は相手の力をゼロにするのが目的なので
田代さんが本当に武術的に向かってくると、
私の動きは止まってしまいます。
そこで私が動きを返せるように、田代さんには
力の加減や、力を放すタイミングを図って
もらうという話になりました。

そんなやりとりを重ねるなかで、動きの
循環運動のなかに私はダンスを感じるのだな、
と気づいたことが、印象として残っています。