7月から北千住のクラスではじめた、「リリース(ベーシック)」のクラス。ダンスを踊ることではなく、ゆっくりとからだに意識をむけて、ほぐしていくことに重点をおいたクラスです。
(*クラスの最初に行っているエクササイズの内容は、こちらのページで動画で紹介しています。)
最近クラスの方から、自分のからだが凝っていることがわかる、普段使わない筋肉を使う、からだがほぐれてすっきりする、悩まされていた手の痺れがよくなってきた、などの声をいただいています。
クラスでやっていることは治療ではありませんが、自分のからだに意識がむくようになることで、日々のからだの意識が変わり、からだがよい状態になっていくのだと思います。
日々の生活で使いすぎてしまっている部分をほぐして、使わなくなっている部分をつかって、からだ全体が手を取り合ってうごきはじめることで、からだが本来の機能をとりもどしていくのだと思います。
『鍼やマッサージもいったけれど数日たつともどってしまうし、けっきょくは自分のからだは自分で変えていかなきゃいけないんだと感じた。』という言葉が印象的でした。
そういうふうに、自分のからだに意識をもつことにもっと多くの人が価値をみつけて、そのために時間を割いてくれるようになってほしいと思うし、その価値が伝わるように自分もがんばっていきたいです。
スタジオにいて、いろんな方とお話することで、いろいろなからだの悩みを抱えている人がいるんだなと最近感じます。私は治療ができるわけれはないですが、からだを感じることや、からだを動かす気持ちよさ伝えていくことで、からだの素晴らしさや楽しさを伝えていけたらと思います。そのために、自分もまだまだ学んでいかなければいけない。
自分のからだを感じる、見つけることから、
自分のからだを知って、自分のからだを整えていく。
からだは生もので、日々の生活をうけてつくられていきます。
クラスを通じて、自分のからだや癖や日々の行動を見直して、
自分のからだは自分でつくる、そんな意識をもっていけるようになったらいいなと思います。
からだが固まっているな、
からだを動かしたいな、
からだに痛みがあるな、
そういうからだのサインをちゃんと自分のパートナーの声として大事にしてほしい。
そして、その自分のからだを見つけていくということが、ダンスにつながっていくと感じていて、『リリース(ベーシック)』の内容を応用する形でダンスを踊っていく、『リリース(テクニック)』というクラスをつくりました。
自分がダンスを教えるとなったとき、一番の根本にあるものは、『からだを感じる・味わう』ことにあると思いました。コンテンポラリーダンスはまだ一般的には馴染みのない言葉で、どんなダンスなの?とよく聞かれます。どう説明したらいいのか言葉につまってしまうというというのが正直なところですが、それは良くないことだと思うので、自分なりの言葉をいつも捜しています。
人によっていろんな解釈をもっていると思うのですが、私にとっては『形ではなく、からだを感じることからはじまるダンス』かなと思います。
からだが本来もっている構造(骨や筋肉や神経や)であったり、からだをとりまいている重力や自然やエネルギーを感じること。そしてそれを受容できるやわらかな心身でいること。英語では『ニュートラル』なからだという言葉がよくでてきます。
私がよく思い出す、大学の先生の言葉。
the body has its own intelligence. so ... let it go.
踊ることは、自分のからだや人のからだと向き合うことだと感じています。
『リリース(ベーシック)』のクラスでやっていることは、踊るための『ニュートラル』なからだをつくること。
今ここにあるものをからだひとつで感じること、そこに私にとっての踊る魅力があります。
それはとても素朴に、縁側でのひなたぼっこのように、身近に暮らしの中にあってほしいものです。