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「スキナー・リリーシング」クラスでの体験について

『Body has its own intelligence...
so just listen...』

これは私が大学生のときに学んだ
「スキナー・リリーシング」という
ダンステクニックのクラスでなかで
先生が繰り返してくれていた言葉です。

この言葉を直訳すると
「からだはからだの知性をもっています。
だから、からだを聴いて・・」ということです。

今回は、自分のダンスに大きな影響を与えた
「スキナー・リリーシング」での体験から、
クラスでも大事にしていることを、
書き留めたいと思います。

「スキナー・リリーシング」は、
1960年代ごろJoan Skinnerさんという方が
つくったメソッドです。
「リリーシング(releasing)」には
『放していく』という意味があります。

クラスでは、講師による言葉のイメージや
パートナー・ワークを通じて、
深くからだの中に意識をむけ、
からだの緊張や、動きのくせ、
固定概念、不安など、
からだとこころを固めているものに
気づいていくことから始まります。

『放していく』を意味する「letting go」
『溶けていく』を意味する「melting」
という言葉が印象に残っていますが、
自分が無意識に固めていたものを気づき、
それを手放していくことで、
新たな流れが生まれ、それに応じて
からだ自身が自然と必要な「場所」や
「バランス」へと動いていきます。

こう動きなさいという指示はなく、
自身のからだを観察する中で
その場で生み出される動きや感覚にそって
動いていきます。

また「No judgement, just notice」
(判断しないで、ただ気づいて)
という声かけも繰り返し耳にしました。

からだの動きについて良い/悪いと
「判断」せずに、ただ動きを観察すること
に集中するように促されます。

どんな形になっているかなんて考えずに、
からだに生まれてきているものに集中し、
その流れについていってみる。

一度、そのことに意識と気持ちが開かれると、
次々と生まれている小さな動きや感覚を
見つけていくことに夢中になって、
気づけばからだ全体が動き出し、
その楽しさや驚きが
ダンスの喜びそのものになっていきました。

最初に紹介した
『body has its own intelligence』
という言葉のように、「私」がしらなくても、
「私のからだ」が知っていることがある、
という視点をもらうことで、
自分の中で大きな変化がありました。

それまで私にとって、ダンスは外から学んで
取り入れるものでしたが、外ではなくて
「自分の内にある」ということを、
言葉だけではなく初めて体感した瞬間は、
とても大きな感動として残っています。

当時バレエを学んできた自分が持っていた
「自分は踊るのに適したからだをもっていない」
「自分には創造力はない」
といった固定概念をとりはらって、
自分の中にまだ知らない世界がひろがっている!
とワクワクさせてくれました。

このときの感覚が自分の原体験になっています。

クラス講師として活動するようになり、
あらためてからだの感覚というのは
ひとりひとり違うものだなと感じます。

からだを丁寧に見つめることがダンスにつながり、
踊ることが新たなからだへの気づきにつながる。

そのことの価値や魅力に気づいてもらえるよう
スタジオでも、オンラインでも
クラスを続けていきたいと思います。

永井美里

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