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【レポート】 10月のアートトでのワークショップ



10月中旬に、清澄白河にあるアートスクール「アートト」で行われている兼松芽永さんの集中ゼミのゲストとして、AAPAのワークショップを行いました。

今回は、普段の自分たちだけで行うワークショップとは違い、「ゼミ参加者が、ワークショップの運営・記録を担当するスタッフと、ワークショップを実際に体験する参加者に分かれ、それぞれ異なる立場で経験した・感じたことをシェアして、議論すること」が、最終的なゴール。

なのでAAPAの役目は、「アートプロジェクトや鑑賞教育の場などで行われているワークショップに関心を持つゼミ参加者に向けて、議論のサンプルとなるワークショップを提供する」というものでした。

つまり、自分たちからすれば「ワークショップを行う様子を外側・内側から観察されて、その内容について議論される体験」になる、ということ。
今までそういう機会はなかったので、実際にやってみて、ワークショップを行っている間、外側(スタッフの役割を担っている参加者)からの目線や立ち位置の変化によって、半分無意識に影響を受けている感覚があることに気づきました。

それは実感として、舞台の「観客」の存在に近く、ワークショップの実践そのものが、最終的にパフォーマンスに近づいていく感覚がありました。

ワークショップ参加者が「演者」、スタッフの役割だった人が「観客」になる構造。
このようになったのは、今回の参加者が全体で10数名ほどで、お互いに知り合いであり、親密さを感じるちいさな会場で行われたことも(参加者それぞれが入り込む・集中しやすい環境になったという意味で)影響した気がします。

ワークショップ終了後のシェアの時間に、写真と映像の「記録」を担当した参加者ふたりから、「自分の役割を果たそうとすることで頭は一杯だった」という話を聞きました。
今回のワークショップで「演者」や「観客」とはまた違う視線が同じ場にあり、その視線からの影響は相対的に低いこともわかりました。

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ワークショップで実際に行った内容は、普段スタジオで行っている「リリース」や「インプロビゼーション」のクラスで行うワークをもとにした、ダンス経験を問わず誰でも参加できる、「自分のからだ」をあらためて感じるところから始めていくワークでした。

普段から慣れ親しんでいる、このワークを通じて参加者から生まれた発見も多くありましたが、今回はワークショップの場の成り立ちが変わったことで生まれた変化について書いてみました。

今回の形に限らず、ワークショップの場を変えるところから遊ぶ可能性に、あらためて触れた1日でした。
兼松さん、アートト集中ゼミの皆さん、ありがとうございました!