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ダンスと武術のリサーチWSレポート


7月27日(日)に開催した「ダンスと武術のリサーチワークショップ」には、
高校生~50代の方まで幅広い年齢層の、ダンス、ジャグリング、剣道、など
経験も様々な参加者が集まり、とても興味深いワークショップでした。

今回は講師の田代順さんと永井美里で何度か打ち合わせを重ね、
「つながる」「崩す/立ち上がる」というテーマをもつくことにしました。

ワークショップは武術的身体ワークからスタート。
まずは”呼吸”や”気”をイメージすることでおこるからだの変化ということを実践。
「曲がらない腕」、「曲がらない脚」「重い身体/軽い身体」など、
気の流れや意識する場所を変えることでからだが変わる不思議を体験しました。



思わず『おぉー』とか『変わった!』など声があがります。
パートナーと効果が実感として共有できるというのはいいなと思います。

そこから2人組で気を練る「推手」と「一ヶ条まわし」を教えていただきました。
繰り返すうちに二人の流れが気持ちよくなり、おわるとからだの中から暖かくなりました。

下の写真は「掛け手頬さわり」というもので、2人一組で手を合わせ、
相手の頬に互いに触ろうとし、先に相手の頬に触ったほうが勝ちというゲームのよう。
このゲームによって相手のひじの動きを制するということを学びました。
意外と必死になってしまうゲームです。(笑)


 

ほかにも小指をから相手の腕にからめて、ひねりを相手に伝えることで崩す「掛け手搦め手」



「自身が一気に脱力し、沈身することで相手を崩す。」といったことも教わりました。
 最後に「入り身崩し」「四方崩し」「すみ落とし」など
より一連の動きになった型の練習をしました。



武術では相手を崩すために相手とつながる、という言葉が印象的でした。 
武術のワークをうけておもうのは、その動きや原理のシンプルさとクリアさや、
「こうすると、こうなってしまう」というダイレクトさ。そこにある爽快さをとても感じます。

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クラスの後半はダンス的身体ワークということで武術的な身体ワークで体験した要素をもとに、
2人一組で動きの探求をしました。


 


つながった手を通じての2つの体の重心で遊んだり、武術でのワークでは相手を崩す手法としておそわった「ねじり」の原理を応用しながら、パートナーと手でつながることから、いろんな「ねじり」と「伝わり」を探しました。



パートナーによっていろんな質感や関わり方があり、ダイナミックなものから繊細な動きまで生まれていました。 お互いのからだとそこからの伝わりにお互いが感覚をすませ、むかいあう姿はそれぞれに美しさがあります。



最後は武術で使われる杖を使ってのワーク。
ひとりひとり田代さんと組み、自由に杖でつながったからだで遊びました。

田代さんもこのように杖を使うのは初めての試みとのことでした。

田代さんいわく最初の握り方がひとりひとり違い、その杖の持ち方で、自分を倒そうとむかってきているのか、つながろうとしているのか、どういう関係を意識しているのかが伝わってきたそうです。



お互いを見合うのも楽しい時間でした。
最後におたがい感じたことをシェアしました。



今回はじめてスタジオのクラスに参加してくれた方が、
「相手の方と会話が無くてもお互いの意志を伝えあっている感覚になれる素敵な身体表現。
いろいろ難しく考えず原点に戻れるような体験ができました」と話してくれました。
学生のころから剣道をやっていたとのこと。
ダンスというと敷居が高いけれど、これは体験したらやりたいと思う人は多いんじゃないかな、
といってくださり、とても励まされました。




後日、田代さんが今回のワークショップについて、いただいたコメントをこの場をかりてご紹介させていただきます。
 

 『前回の「異身体間・多世代WS」で、やっている僕自身もいろいろ「刺激」を受けました。「西洋」のスポーツ身体技法(身体の使用法)とは、また違った身体技法として「武術的(東洋的)身体」を味わってもらうことができ、とても「やりがい」と「面白さ-参加者それぞれの「身体言語(動きの癖のようなもの)を見て-」を感じました。
広 い意味でダンスも武術も(あるいはジャグリングも演劇も)「身体コミュニケーション」の技法の展開だと思います。その意味で、「異身体間」の交流ができた ことが(こういう状況はめったにないので)自分にとっても「身体」の新しい「扉」を開く鍵になったと強く思うことができました。』

武術とダンスのリサーチワークショップ、今後の予定を今調整中です!

どうぞお楽しみに!!