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ノート: 8月スタジオショーイング(2014)


今回の8月のスタジオショーイングは、メンバーのみんなでつくっているので、
明日・明後日のリハーサルで全体をつなげていく中でかわっていくかもしれませんが、
私が自分の作品で考えてきたことを少し書いてみたいと思います。


今回、私は「たつこと/たてること」からつくってみました。
大学でコンテンポラリーダンスに出会ったとき、
『人は常に地球に向かって重力をうけて引っ張られていて、
でも倒れないようにバランスをとりながら、
常にfall(落ちる)& recovery(戻る)をしながら立っているんだよ』
と聞いたときから、人が立つという中にあるエネルギーに惹かれるようになりました。

『立つ』、『揺れる』というのはいつも私のなかでキーワードになっています。
今回はそこに『建てる』ということを加えて考えてみることにしました。

ジャグラー佑理くんがボールを積み重ねたり、並べたり、
からだに乗っけたりするのをみながら、
人が「立つこと」と「建てる」ことについて、
この機会に思いめぐらしてみようと思いました。

そこで佑理くんにボールをいろんな形で建てるということをしてもらい、
上本さんと荒尾さんにも一緒に舞台上にでてもらい、
「どうして立つの?どうして建てるの?そこにあるのはどうするの?」と
佑理くんにむかって言いながら、自由に関わってもらうという課題で即興をしてもらいました。

そこで私が見たこと、みんなが感じたこと、見つけたことをシェアしてもらいました。

シチュエーションによって「たつ/たてる」という言葉が、
「立/建/絶/発」などいろんな意味になること。
地面にたてることと、人のからだの上にたっていることの感覚の違い。
小さなものをたてることと大きなものをたてることの違い。
みんなでたてること、一人でたてること。
たてたものを壊されるのは嫌だけど、自分で壊すときには爽快さがある。
立ちたいという欲求と、建てたいという欲求の感覚の違い、
などなど、いろんな感覚やイメージをだしてもらいました。

そんなことから、今回の作品は生まれていきました。

今回私の作品に出演しているのは1人だけれど、
他の2人が最初にだしてくれたアイディアも入っていて、
自分だけでつくっていないという感覚があります。


今回の創作でも使っているジャグリングのボール↑

いろんな種類があるようですが、今回使っているのはお手玉みたいに柔らかいボールです。
ジャグラーと初めて創作で関わることになったのは
2013年のAAPA公演『見えなくなるだけで消えない』。

それからいろんなジャグラーをみてきて、
自分もちょこちょこ道具を触らせてもらったり、教わったりするなかで、
愛着のわいたこの柔らかボールたち。
なんだか可愛いやつです。
 
++++

メンバーそれぞれが個々の興味と考え方をもって、取り組んでいます。
今回の『ワークシェア』のショーイングで、何がたちあがるかはまだわからないですが、
ここで生まれてくるものを、良く見つめながら、自分だけのあたまにとどまらない、
何かを見つけたいと思います。