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「ワークシェア」と8月スタジオショーイングについて

昨年からスタジオでは「ワークシェア」という名前で、
演劇、ダンス、ジャグリングというジャンルを越えて、
おたがいのワークをシェアする企画を定期的に行ってきました。

グループをつくる場合、「創作」という目的で集まることが普通だったので、
創作を目的におかず、定期的に同じメンバーで集まり、
お互いのワークショップをうけて、感じたことや気づいたことを
フィードバックをするというのはとても新鮮でした。

違う考え方や、違うアプローチにふれることで、
普段気付かない自分のボーダーに気づけたり、
気づけたことで、その向こう側にいくチャンスをもらえたり、
新しい経験がたくさんできました。

ワークシェアをしていて私が感じたのは、
何をしても、何がおこっても大丈夫なんだという安心感と、
まずやってみよう、伝えてみようという場があることの貴重さでした。
その軽快さというか風通しのよさを感じていました。


今回のショーイングにむけてリハーサルがはじまってからの数回は、
それぞれが今回やってみたいことを、自由にだしあいました。
作品の作り方も問いかけ方もさまざまです。

役者の荒尾日奈子さんからは『守る』というテーマのもとに、
いろんな問いかけがあり、考え込まずに、出てきたものを、どんどん出して、
短くても長くてもかまわないから「始まりと終わりのある」ものをつくる。
どんどんだして、そこから光ったものを取り出していくような作り方。

こうして瞬発てきでてきたイメージやアイディアが
私の中で印象に残って、自分の作品のイメージにもなったりもしています。

ジャグラーの山村佑理くんからは、この部屋にあるもの何をつかってもいいから、
それぞれ何かつくって発表するという課題に、みんなで取り組みました。
その場で出てきたものや、感覚を大事にして、
流れるままにすすむ彼のワークは、大きな川のよう。
そのなかで、自由に泳いで遊ぶ。
それぞれからでてくるアイディアや発想にのりながら、
はっとする瞬間が生まれたりしました。

「創作をする」ということに、最初は身構えてしまう自分がいました。
私は今回みんなでクリエーションをしようとなったとき、
今何かはっきりと強くこれをつくりたいというものがないから、
やるならパフォーマーとしてみんなの作品にでる形にしたいと、最初に話しました。

でも、みんなと話をしているうちに、
自分のなかにある曖昧な、でも気になることを、
とりあえずみんなの前にひろげて、
はじめてみるということでいいのかなという気がしてきました。
この「ワークシェア」はそれが許されている場なんだと感じました。

そうして自分の問いかけを他のメンバーにシェアしながら、
最終的に私は山村佑理くんのソロを創ることになりました。

そもそも感覚とか感触とかって、あいまいなよくわからないもの。
それを捨てずに、人と一緒に考えたり、とりくんだりすること。
そうすることで、整理できたり、
新しいものがみえたり。
そうすることでゆるやかに影響しあっていく。

自分が感覚していること、
人が感覚していること、
ジャンルやカテゴリーにこだわらず、
個々が感じていることを伝えたり、受け取ったり、
考えたり、話したり、そういうことがしていけたらいいなと思います。

ショーイングに見に来てくださる方とも、
そんなふうにつながっていけたらいいなと思います。

ショーイングは今週末。
今日は上本さん・荒尾さんがリハーサル中です。


今回のショーイングの案内文で上本さんが言葉にしてくれたように、
『これまでの実践を通じて、目に見える/見えない形で影響しあったことを、
紹介する機会になればと思います。

どなたでもお気軽におこしくださいませ。
8月のショーイング情報は下記リンクよりご覧ください。↓
http://minori.aapa.jp/2014/07/8.html