マレーシアでおこなってきたワークショップについて、まずご報告したいと思います。
今回はホストをしてくれたBilqisの声かけで20名の方が参加してくれました。
場所はRimbun DahanというBilqisがオーガナイズしているアーティスト・レジデンスをしているスペースです。Bilqisの実家でもあるのですが、これがとても素敵な場所です。場所についてはまた別記事でご紹介させていただきます。
年齢層も経験も様々でしたが、みなさんとてもオープン・ほがらかで3時間のワークショップはあっというまにすぎました。
マレーシアでコンタクト・インプロ・フェスを主催している人、
インド舞踊カンパニーのダンサー、
ミュージカル・ショーダンスの若いカンパニーメンバー、
大学のダンス学部の先生、
社交ダンスの学校をしている方、
はじめてダンスをするという方、
みんな一緒に楽しんでいました。
今回は、パートナーワークをヒントにしながら、「自身の身体を探求すること」、そして自分はいつでもまわりの環境において「反応している」ということをキーワードにワークショップをしていきました。
まずはパートナーワークで力をぬいて、まわりや自身のからだに対する身体感覚を目覚めさせるところから。「何にもしない」ということにあえてフォーカスしてもらいました。パートナーに動かしてもらうことで、そのときに自身のからだに何がおきているかを「観察すること」に集中してもらう。
そこから、その自身のからだにおきていることを手がかりに自分で動きを見つけていく。相手からもらうアクションにたいして、ついていったり、反抗したり、自分の意思や興味に忠実なりながら。
コンタクト・インプロビゼーションのようになりがちだけど、私のワークではあくまで自身の意思と興味をみつけてもらうということに集中したかった。なので、相手をうごかそうとか、よくわからないけどこうなった、みたいに巻き込まれてしまう、巻き込んでしまうというのではなくて、自身の意識を失わないでおく。そうすることで、自身のからだ・ダンスを見つけていける方法をみつけていきたいと最近は思っています。
自身のからだ・動きを探求したあとは、質感ということをキーワードに。相手からもらった質感をうけとってカラダでかえしていくワークをしました。
ここで、このおどっている中をふつうに歩いたり、見たりするのもおもしろいと上本の提案もあり、グループを半分にわけて、半分はダンサーに半分は観客になるということをしてみました。
観客はどこからみてもいいので、近くでみたり、遠くでみたり、どこに立ち、どういうふうに立つのかというところで遊んでみてほしいと提案しました。
これで気づいたのは、観客がダンサーの環境をかえているということ。踊るスペースをせまくしたり・ひろくしたりするし、形をつくることもできる。歩く・見る・立つ・座る、シンプルな動きで観客という立場にいながら一緒に空間をつくるし、それがダンスにも影響してくる。
AAPAでは客席をおかない形や、観客が舞台の中に参加してくる形を考えたりもしてきたけれど、
こういうふうに観客が積極的に空間をつくれるというのはとてもおもしろいと思う。
遊び心がいっぱいの参加者のみなさん、知らず内に観客がダンサーたちを囲ったり、見ながらダンスに参加したり、していました。
ワークショップの後半はパートナーワークをはなれて、全体のなかの自分をとらえていけるようなワークをしてみました。
空間を好きに歩きながら、まずは空間を観察する。形・音・風・光・色・人。観察しながら、自分の感覚を観察する。環境にたいして自分はどうしたくなるか。誰かと一緒にあるく、離れる、近づく、ゆっくりなる、たちどまる、音をきく。歩くというシンプルな動きから、自然にでてくる動きをみつけていく。
踊りだそうと意識するのではなく、日常で自然に出てくるからだの動きや反応を大切にしていく。
今回もう一つのテーマとして、「何が自分を動かすか」を見つめてもらうということもありました。
しばらくしたあとで2グループにわかれてお互い見合い、感想をいう。ドラマがみえた、という感想。最後に5人組にわかれて、それぞれで今日やってきたことをふまえて即興ワークをして、最後にグループごとをそれぞれ見て終わりになりました。それぞれのグループで個性がでていました。
終わった後に、私達がいま取り組んでいることなど、考えていることを伝え、みなさんからもコメントをいただき、ワークショップは終了しました。こういうワークをするのははじめて!というかたも多くいらして、みなさんとても良い笑顔で最後終えることができて、とても嬉しく感じました。
ワークショップやその後各アーティストと話すなかででてきた話題については次の記事で書きたいと思います。