7月27日のワークショップまとめ
=====
ワークショップのクラス説明として事前にだしていた内容はこちらです
↓
「表面と感覚」
前半はからだの皮膚に注目して、さまざまな「表面」をみつけていきます。からだの表面を感じたあとは、袋に入った水や砂、布などの密度や触感、動きを観察しながら、からだの中に流れるものの重さを、具体的にイメージしてみます。後半は、皮膚から受けるからだの反応に注目してみます。目を閉じていろいろな物に触れて、物から受ける質感、重さを感じたときの、からだの状態を観察します。その反応をヒントに、自分のからだの感覚を見つけていってみます。
=====
それで、実際にやった内容とやりながら思ったことをご紹介。
↓
まずは床に仰向けにねっころがって身体を床におとしていきます。
身体の床についている面、浮いている面があることに意識をむけていきます。
こうしてシンプルに身体を床に預けてねっころがると、普段気が付かない身体の緊張に気付きます。そして緊張しているところに気付ければ、身体のテンション(緊張)がほどけていけるのも感じられます。すこししたら寝返りをうつような感じで、体勢をかえて同じように、床との接触点をヒントに身体の表面をみつめていきます。何度か繰り返すうちに、いつもはあまり意識しないところ、身体の側面や裏側、頭の表面や形、指先などにも意識がまわります。
いくつか体勢をかえたあとで、今度は動きつづけながら身体の表面をたどってみます。
スムーズに接触点を転がしていくのは最初は難しかったりするけれど、身体はつながっているということを忘れずに、行きどまりに思えても、止まっていいから道をみつけていく。当たり前のことだけれど、身体の表面はすべてつながっている。それを実感できるワークだと思う。
しばらくそれぞれのソロダンスをしたあとで、今度はパートナーワークに。一人はそのままソロダンスを続け、もう一人はその踊るからだをみながら、ここに意識をひろげてみたらおもしろいのではないかというところに手をあてる。ソロダンスをしている人は触られたらその触られた部分にも意識をひろげてみる。一人で自分のからだと向き合うのは、集中力が続かなかったり、同じ動きや発想におちいりがちになってしまう。そうなりそうなとき、私はパートナーワークをとりいれています。
こういうワークを経験したことがある方だったからか、次第に手をあてている人も相手のからだに触れながら、踊りはじめ、素敵なデュオができあがっていきました。
身体の表面をかんじてもらったところで、からだは皮膚という膜で包まれた袋という身体のイメージをお話し、ちょっと動くのを中断して、水のはいった袋をもってもらいました。実際、からだの20%は水でできているというのは、よくいわれていることで、からだはちょうど水のはいった袋のよう。水袋を動かすと、中の水も移動する。袋の中には常に水の層と空気の層がある。重い所と軽い所。目とからだで袋の中を移動する水の重さを感じてもらったあとで、そのイメージをからだにとりいれてみるワークをしました。からだの膜の中を水を動かしていく(そそいでいく、うつしていく)イメージから動いていく。こうすることで、目にうつる形から動いていくのではなくて、からだの中に流れていく重さで動いていく感覚をつかんでいきます。
からだの重さとそこから動くことを感じたあとで、今度は水とは違うイメージをもってみることに。
私が今日水のほかに用意したのは、砂のはいった袋と、石がはいった袋。WSの前に近所の公園からちょこっといただいた。子供を遊ばせていた主婦の人にちょっと不思議そうな目でみられた。。。(^_^;)確かに私も砂場にいくなんて、いつぶりだろう。。。ちょっと恥ずかしかったな。
話がずれましたが、、、WSではその中身の違う3つの袋をそれぞれ順番にもちながら、その感触の違いやそこからうまれる動きについて各自でさぐる時間をもちました。いろんな持ち方をしてみたり、もちながら動いてみたり、触感を静かに観察したり、各自のアプローチが見れました。そして3種類を終えたところで、各自が発見したことをシェアしました。
「石を握ったときのごつごつした感じと、その石を握る行為でこういう動きがうまれた」
「砂はおちるときに別れていく、水はとても一つにまとまろうってするように感じた」
などおもしろい発見がさまざま。
こういう「物」から動きを発想したり、引き出されていくことの面白さや可能性は、2011年AAPAで創作した「終わりの予兆」で試みたこと。WSとして取り入れたのははじめてだったので、うまくガイドできるか不安だったのですが、面白い発見があってよかった。
触れる物がからだに影響をあたえることに気付いてもらった後は、その物に対する知覚力に集中するワークをしました。一人の人は目をつぶってたっているだけ。もう一人がその人目をとじている人に、いろいろな素材の物にふれさせたり(物は参加者の人の持ち物からだしてもらいました)、空間を移動させたりしました。
素材の違う物、重さの違う物、足・手・からだの各部分が感じる物、、、
本当はここから動きを探っていくこともしたかったのですが、時間ものこりわずかだったため、
最後は今日やってきたことを自分で思い返して、即興で踊り、その踊りをお互い見合うということをしました。
最後に今日の全体を通じて感じたことや発見したことをシェアしておしまい。
パートナーワークは人のことを考えすぎてしまうからか、苦手に感じていたけれど、今日はとても気持ちよくできたというコメントをいただきましたが、パートナーワークをすると、相手と触れている部分や外部の刺激についていくことに重点がおかれてしまい、踊り手がじしんのからだから離れてしまうことがあるように感じます。私はからだを感じたり、動きや発想をひろげるためにパートナーワークを使うことはあるけれど、あくまでこのワークは踊り手が自身のダンスを見つけていくためのワークだということをお互いが意識して、踊り手が自身のからだから離れないことを大切にしたいとおもう。
こうして書いてみると、1時間半にギュウギュウにつめたなぁと自分で思う。
本当は数回にわけてやる内容な気もするし、今度ワークショップを企画するときの参考にしたいと思います。
「物」をつかったWSは今回はじめてだったけれど、どうしてもイメージに頼りがちな部分を、身体感覚とのかかわりの中で探していける良い方法と思う。もう少し、自分でも試しながら今後のWSやクラスでもとりいれていけたらいいなと思います。
7月のワークショップに来ていただいた皆様ありがとうございました!
今後も頑張ります。