ページ

『詩を生む身体』 著:ジャック・ルコック

最近読んだ本をご紹介。

1.詩を生む身体 ~ある演劇創造教育~
著:ジャック・ルコック 訳:大橋也寸 2003年

2.体の中の美術館 ~EYE, BRAIN and BODY~
著:布施英利 2008年

どちらの本も、共感する部分も、はっとする部分もありました。

1つ目の詩を生む身体は、演劇のあるメソッドについて書かれた本だったけれど、そのジャック・ルコックの言葉はとても自分が感じることに近いと思う。私がうまく自分で整理できていないような部分をすっと言葉におとしてくれる。

彼は自分の演劇教育の方針において、2つの目標をたてていたといっている。
彼の言葉↓

『私の興味は一部は演劇に向いているが、片方は人間生活にある。私は両面での優秀な人間を育てることを心掛けている。ユートピアかもしれないが、学生が実生活では生活者であり舞台では芸術家であってほしい。表現者イコール創造しているとは限らない。』

『表現行為と創造行為の違いは表現行為での演技は観客より自分自身のためだ。』

それと、彼は『観ること』の大切さを語っていた。そのことを最近私もとてもよく考えていた。
本を読みながら私がとったメモ⇒

『動きの分析。動きとはただの移動だけではなく、どう移動するのか。リズム、空間、エネルギーの関係が生み出すもの。動く人体から動きの法則を見つけ出すことが大切。』

『バランス、アンバランス、対立、交互、補完、アクション、リアクション。』

あと、彼がいっていた『観ること』から『マイムする=同化する』という考え方。これはダンスをするときにいろいろな身体の質感をさぐっていくことと同じなのだと思った。
『マイムするとは同化するということ、するとより深く理解できるのだ。マイムすることで物事をより新鮮に再発見できるのだ。』
『ミミスムとは感覚内部にあるダイナミズムの探求』

『マイムする身体を現実認識に使えば、自分を囲む世界を身体を通してから絵に描き、文章に表現し、歌い、踊ることができる。そうすれば表現物はより身体で感じたものになり、観念的でなくなるのだ。』


この最後の言葉は私が最近ボディワークでやろうとしている事にとても通じていると思う。
自身の身体をみつけること、そこから現実をとらえていくことが、どんな表現や創造活動につながってもかまわないと思う。

今の私がこの本の中で一番気に入った一節↓
『一つのものを究めると、一がすべてを含むのが発見できる。
一滴の水中で一生をすごしてごらん、世界が見える!』

なんか今の自分にはとても心強く励まされる。

=====

もう一つのほうも書こうと思ったけど、長くなったのでまた今度にします。
今日の午前中はARDAの仕事で子供たちと新聞紙で基地をつくりました。
とても楽しかったけど、すっかりエネルギーをすいとられた感じでした。(笑)

今夜はDVDをみながらゆっくり過ごそう。
基地のお金でバレエスタジオ用にかってもらったロイヤルバレエのAlice's Adventure in Wonderlandと即興ダンサーのドキュメンタリービデオだというForce of Natureを借りてきたので、さっそく見ようと思います。