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小学生クラスを始めるにあたって(永井美里)

こんにちは、永井美里です。2020年4月から
コンテンポラリーダンスクラス (小学生対象)
を始めるにあたり思うことを書いてみます。

これまでの「こどもダンスクラス」の中で、
講師の私がこども達に提案や質問をしながら、
自分たちでダンスをつくる姿を見ていると、
「こどもには、こどもが見ている世界がある」
ということに、はっとさせられることがあります。

「コンテンポラリー」は「同時代の」という
意味がありますが、「こどもはこどもで、
今の時代をいきているんだよな」、
そんなことを考えたとき、
こども達と「コンテンポラリーダンス」
始めることに、興味を持つようになりました。
そして、そこに向き合うことは、
とても大切なことだと感じました。

こどものクラスで、何を、どう教えるべきか、
色々な考えが浮かんできて、
やろう!と決めるまで時間がかかりましたが、
自分が大事にしたい事が見えてきたので、
クラスとして始めることを決めました

クラスを始めた理由は、いくつかあります。

ひとつは、私は「コーディネーター」「通訳」
「リサーチアシスタント」として、
保育園や小学校でのアーティストによる
アウトリーチ活動(ワークショップ)
の現場に携わる仕事を務めてきました。

コンテンポラリーダンスに興味をもった子が
継続して学び、深められる場所をつくりたい、
という思いが強くなっていったこと。

もうひとつは、私はクラシックバレエから
ダンスを始めましたが、
「自分にはあっていない」と、
こどもの頃からどこかで感じていました。
大学でコンテンポラリーダンスを始めて、
「ああ、私がやりたかったのはこれだ」
と感じたのを覚えています。

「バレエは何か違う」と思いながらも、
続けたからこそ、「ずっと続けていきたい」
と思えるダンスに出会ったわけですが
「ダンスは好き!だけど、今やっているダンスは何か違う…」と、
どこか自分との「はまらなさ」を感じる子が
踊ることそのものをやめてしまう前に、
コンテンポラリーダンスと出会い、
続けていくことができる場をつくりたい、
と思ったこと。

また、私は学生時代、「クリエイティブな
/創造的な」活動にコンプレックスがあり、
何かを発想したり、思いついたりすることは
天性のものと考えていたところがありました。

ですが、海外の大学に留学し、
帰国後も様々なアーティストや仲間と
創作活動、試行錯誤を経験した今思うのは、
創造性や想像力は、経験の積み重ねと、
成長を通じて身につけていくものだと、
実感しています。

そして「人と一緒につくる」経験を、
こどものときから積み重ねていくけたら、
もっと個々の可能性が広がるのではないか、
と思いました。

抽象的な感覚ではありますが、
国、言語、文化、価値観など
様々な背景をもつ人々が混ざりあう、
今とこれからを生きるこどもたちにとって、
普遍的なからだの原理・原則と
個々の身体性基礎に置く
「コンテンポラリーダンス」を学ぶことは、
どもたちの生きる力につながっていく、
と感じています。 クラスを始めてから、新たに気づくことも まだまだたくさんあるかと思いますが、
集まってくれたこどもたちと一緒に、
ダンスの可能性に向き合っていきたいと思います。 どうぞよろしくお願いします。 永井美里