お越しいただいた皆様ありがとうございました!
今回見に来てくださった方が、感想をウェブにあげてくださったので、
ここでご紹介させていただきます。
https://note.mu/yasuta/n/nbf2a653d95d2
https://note.mu/jugglertansan/n/na08b2c2b298c
こうして観たことを言葉にしていただけるのはとても嬉しいことだなと感じます。
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今回は30分ほどのパフォーマンス後のあとにトークという形で、
focusの倉沢さん・関矢さんと、演出をしたAAPAの上本さんから、
創作過程の紹介がありました。
今回はまず印象的だったのがスタジオ内に張り巡らされた紐。
まずこの空間のイメージ、アイディアはいったいどこからきたのか、
関矢さんが話してくれました。
『自分にジャグリングを最初におしえてもらったのが倉沢さんで、
それがディアボロでした。今まで2人でつくったことがなかったので、
今回何を創ろうと考えたときに、”初心にかえる”というか、
ディアボロで何ができるか考えてみたいと思いました。
ディアボロはジャグリングの道具のなかでも変わった道具で、
金属、プラスチック、ナイロンなどいろんな形・材質でできている。
そのディアボロの素材のよさをだしてみたい考えているうちに、
ディアボロのスティックの紐をスタジオ全体にひろげたらどうなるだろう、
と思いつきました。』
紐につながれた中央のイスについては、
『最初は天井に紐をくくりつけるために、
スタジオにあったこのイスを土台としてつかっていて、
ふと思いついてこのイスに紐をくくりつけてみた。』
と話があり、作品が創作の現場になったスタジオでつくられていく様子も、感じられました。
そして上本さんから、ジャグラーのみが出演するパフォーマンスを演出するのは、
今回がはじめてだったという話があり、
ジャグリングをするにはやりにくい空間を舞台美術としてつくり、
演出としても、走る、紐をくぐる、紐の間にコマを通すなど、
ジャグリングの 『失敗のリスク』があがる要素を多く取り入れたけれど、
それについてジャグラーとしてどう感じていたのか?という質問がありました。
『つらいけれど、他の場所じゃできないから、
この環境の中で何ができるのか考えるのは面白かった。』
と倉沢さん。
さらに今回の作品では、途中でディアボロが空中分解するシーンもありました。
この『ディアボロが壊れていく』という仕掛けは、うまく壊れてほしいタイミングで壊れるか、
確実にコントロールすることはできないもので、
実際、初日は想定していたシーンの前にディアボロが壊れてしまう、という
アクシデントもありました。
ショーやパフォーマンスという状況では、
障害、アクシデントは基本的にさけると思うけれど、、、
そのへんはどう考えているの?
という上本さんの言葉に対して、
『ジャグリングは、もともと落とす・落とさないのスリリングさがある。
既にできるようになった技を、普通にやることはできない環境で行うことで、
ほぼ確実にできる技の、成功確率が半々になる。
普段のショーや大会で、途中で道具が空中分解するっていうのはNGだけれど、
うまく調整すれば、はずれるかはずれないかっていう微妙なラインをつくり出すことはできる。
いつ壊れるかわからない、いつ何が起こるかわからないところに、面白さを感じている』
と、倉沢さんが話していました。
その答えを受けて、上本さんが『ライブ感』という言葉を使っていたけれど、
演者とお客さんが目の前の出来事に一緒にドキドキワクワクする、というのは
ジャグリングのパフォーマンスが生み出す、魅力のひとつなのかなと感じました。
最後に、観客の皆さんからの質問タイム。
『全体的に、白と黒のみに統一されている。
基本、白をメインにして統一したのには、何か意図があるのか?』
『まわしているとき、頭の中で何か考えているんですか?目が機械っぽいなと感じた』
『音はどんなふうに選択しているのか』
などなど、個々の疑問を口にしてもらったことで、話がひろがり、新たな発見も生まれます。
使った音楽のなかには、ディアボロを壊すときにでる音を録音してリミックスした曲がある、
という話も出て、美術・音・からだなどいろいろな視点に意識をむけて、
今回の創作が行われていたことが感じられました。
本当はボールを使いたくなかったんだけど、
ディアボロだけではアイディアが行き詰まってしまい、
時間がなくて今回はやりきれなかった、という思いも
関矢さんが話してくれました。
『今後にご期待ください!』とのこと。
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今週~8月7日のジャグリングクラスでは、今回の創作ででてきたアイディアや技術についてワークショップを行うとのこと。
今後の彼らの活動にぜひご注目くださいませ。